【小説】たった一人の大親友(4)
なみの心の中には、すでに「めい」という2文字は消えていた。そんな時、空から声が聞こえた。
「2人しかいないのなら、めいを入れろ。」
この声になみはハッと思いだした。めいという存在を…そして、なみは親友3人を決めた。
「なみ、決めたか?」
「はい。なな、なゆ、そしてめいです。」
「そうか。じゃあ明日の学校の休み時間にななちゃんとなゆちゃんを。昼休みにめいちゃんをやろう。」
「うん!」
―――次の日
「キーンコーンカーンコーン」
ななとなゆを試す時が来た。
「なみ!遊ぼう!」
予想通り2人ともなみに近づいてきた。
「ちょっと待って!」(おじいちゃんお願い!)
なみがおじいちゃんに合図を送るとおじいちゃんはまず、ななの方に近づいていった。しかし、ななは全く気付かない。おじいちゃんが肩をたたいたり、声をかけたりしても反応をしなかった。
「まっまさか…」
なゆも同じ結果だった。なみは予想外のことであったし、大親友だと思っていた2人がまさか普通の友達だと知ってショックを受けた。おじいちゃんが、「次はめいちゃんの番だよ!」と言っても、「どうせ、どうせ、私がめいをどん底に落としたんだから見えないよ、どうせ、どうせ…」
次回に続く
【小説】たった一人の大親友(3)
なみが家へ帰って勉強をしていると、「ボウーン」とおじいちゃんが出てきた。
「なぁ…試してみんか?」
「何を?」
「なみの親友は誰じゃ?」
「ななとなゆよ!」
「めいちゃんは?」
「あの子はただのクラスメイトよ!」
「そうか。じゃあ説明しよう。わしは1年間前にこの世を去って天国へ行った。だが、1年経ち、旅行があってこの世に来たんじゃ。なみにも会いたかったしなぁ。友達関係も。」
「おじいちゃんはいつまでこの家に居てくれるの?」
「5日間じゃ。お前の大親友を見つけに来たんだよ。」
「大親友?大親友は、ななとなゆだって!」
「じゃあ試してみよう。あっ、時間じゃ。やり方は今から渡す紙に書いてあるから読んでおいてくれ。」
そうおじいちゃんは言って紙を置いていった。それをなみは興味本位で読んでみた。
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<友達3人を試そうキャンペーン>
親友3人を選び、亡くなった人が顔を出し、反応するか。反応したら大親友。しなかったら、大親友ではなく、ただの友達です。
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なみは、この紙を見て考えた。3人も親友がいるか。なみは、ななとなゆの2人しか親友がいないと思っていたからだ。なみの心の中には、もう「めい」という二文字はないのか…
次回へ続く
【小説】たった一人の大親友(2)
1か月後。なみとめいは、もう全くしゃべらなくなった。もう2人の仲はもどらないのだろうか。
その頃、なみにはおかしな現象が起きていた。それは、1年前に死んだおじいちゃんがよく現れるという。おじいちゃんは、なみに何か話しかけているというのだが、よく聞こえないらしい。実は、このおじいちゃんがなみとめいの仲を取り戻すカギになるという。おじいちゃんが現れるのは、1時間に一度になった。そして、引き出しの中にあるイヤホンを指さした。
「これをつけるの?」
うん。とおじいちゃんはうなずいた。イヤホンをなみが付けた。するとなんと、おじいちゃんの声が聞こえる。
「おじいちゃん、なんでここにいるの?」
「なみを救いに来たんだよ!」
「なんのこと?」
「少し経てばわかるさ!」
そう言っておじいちゃんは消えた。なみは、おじいちゃんが言っていた、「救いに来た。」の意味がとても気になっていた。
そのころ、めいはだんだんいじめの対象になっていた。男子たちがめいを殴っている。前ならなみが自分の体をはってめいを助けていた。しかし、今は違う。なみはボーっと見ているだけで動かない。ななとなゆがなみを呼んだ。なみはめいを少し見てからななとなゆのところへ行ってしまった。
次へ続く
【小説】たった一人の大親友(1)
ある日のことから、なみとめいの仲は崩れた。なみとめいは保育園からの大親友だ。学校では一緒に遊んだり、家に泊まりにいったり、なみとめいの仲は普通の友達より、ずっとずっと大切な存在だった。
しかし、小学5年生に進級してまだ1ヶ月ちょっと経ったある日、その事件は起きた。それは、めいがなみの家に遊びに行った時だ。なみの部屋で一緒に勉強をしていた時にめいがなみが1ヶ月かけて作ったジグソーパズルを少し触ろうとしたときだ。
「このパズル、お父さんから誕生日プレゼントにもらって作ったパズルなんだ!壊れないようにそっと扱ってね!」
「わかった!」
めいがジグソーパズルに手をかけた。なみに言われたことを忘れたように・・・。めいは壊れるなんて予想をしてなかった。そして・・・
「バッキーン」
パズルがバラバラになってしまった。なみはショックで言葉も出ない。めいは何度謝った。しかし、なみは答えてくれない。これがなみとめいの仲を崩した理由だ。
それからは、なみとめいはしゃべらなくなった。なみには新しい友達ができた。名前は、ななとなゆ。しかし、めいは友達を作ろうとしない。なみとのことがかなりショックだったからだ。めいは、なみに話しかけた。しかし、なみは口をきこうともしない。
これからこの2人はどうなってしまうのだろうか。
次に続く
はじめまして!Mikty(みきてぃ)と申します。
はじめまして。このたび、ブログを始めました。女子大生ブロガーのMikty(みきてぃ)です。よろしくお願い致します。
自己紹介を軽くします。
大学4年生で臨床心理学を専攻しています。
趣味は、お手紙書きと読書。下宿先近くで月一で「手紙の会」という手紙を通して、自分や仲間と向き合う企画を行っています。手紙の会を通して、少しずつではありますが、自分らしく表現する方法を知り、今の自分も過去の自分も好きになってきました。
「大切な人を大切にする。」
そんな自分で周りに居てくれる人を大事に出来たら、最高に幸せです。
主にこのブログは、
・小説の掲載
・過去の日記の一部を掲載
・想い残し
になることが予想されます。のほほんと続けていこうと思います。
未来の自分がこの記事を読み返したときに、「あの日のスタートがあったから、今がある。」そう自信をもって言えるようになるといいな。
よろしくお願いいたします。