【小説】たった一人の大親友(2)
1か月後。なみとめいは、もう全くしゃべらなくなった。もう2人の仲はもどらないのだろうか。
その頃、なみにはおかしな現象が起きていた。それは、1年前に死んだおじいちゃんがよく現れるという。おじいちゃんは、なみに何か話しかけているというのだが、よく聞こえないらしい。実は、このおじいちゃんがなみとめいの仲を取り戻すカギになるという。おじいちゃんが現れるのは、1時間に一度になった。そして、引き出しの中にあるイヤホンを指さした。
「これをつけるの?」
うん。とおじいちゃんはうなずいた。イヤホンをなみが付けた。するとなんと、おじいちゃんの声が聞こえる。
「おじいちゃん、なんでここにいるの?」
「なみを救いに来たんだよ!」
「なんのこと?」
「少し経てばわかるさ!」
そう言っておじいちゃんは消えた。なみは、おじいちゃんが言っていた、「救いに来た。」の意味がとても気になっていた。
そのころ、めいはだんだんいじめの対象になっていた。男子たちがめいを殴っている。前ならなみが自分の体をはってめいを助けていた。しかし、今は違う。なみはボーっと見ているだけで動かない。ななとなゆがなみを呼んだ。なみはめいを少し見てからななとなゆのところへ行ってしまった。
次へ続く